C O L U M N

新型コロナウィルス(COVID-19)が世界的パンデミックをもたらし未だその渦中にある今、備忘録としてここに残しておきたいと感じます。
日本政府は4月16日夜、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急事態宣言の対象を、これまでの7都府県から全国に広げた。全国の小中学校が休校となり、会社もテレワークを推進。飲食店や商業・観光施設は自粛、類を見ぬ価値観の大転換地点にいるとも言われています。
5月14日、群馬県には緊急事態宣言が解除され、群馬県による緊急事態措置は終了。東京や神奈川は依然として渦中にあります。
世界中の多くの国と同様に、新型コロナウィルスの第2波や第3波がきたら また自粛や制限へと逆戻り。先行きの不透明さが色濃く残る経済活動や移動の再開は 非常に不安定な中でかろうじてという状況であり、公私ともに予定が立てにくいと痛感しています。
個人的には、ワクチン開発ももちろんですが、私くらいでも気軽に抗体検査へ手を伸ばせるようになることを願ってやみません。不要な疑心暗鬼や猜疑心は早く払拭したいしされるべき。見えないが故の混乱や、蓄積される形容しがたい心のモヤモヤ;これこそが一番の問題であり、非常に厄介であると感じます。

私の周辺での出来事や気になった言葉、そこから日々考えていることを記します。今回のパンデミックが、長い余波を引き起こし、この先半年後や1年後にも悩まされることになるとすれば、自分でも時にここへ立ち返り、自分の言葉を確認すべきと感じるからです。

○グローバル化の考え方に急ブレーキがかかり、脱グローバル化の流れが急激に盛り上がっていくと考えられている。国際政治学者イアン・ブレマー氏も、今回 国ごとに時間差でロックダウンや自粛下に入ったことで、物流や移動の自由が強制的に且つ中長期的に遮断や制限される事態となった。私の周囲でさえ「トイレが届かず家が完成しない」、「イギリスにサンプルを送りたいが、イギリスの物流機能が正常化すると どうやら今度は反対に日本が不安定らしく EMSでさえ日本を出るまでに2週間かかる」とリアルな声が聞こえます。部品が届かないために製造ラインが長期化するリスクや、今後輸出入コストが上がるのではないかという懸念、またオンラインMTGがメインになるとはいえ重要会議、現地視察や調査等はなくならないはず。飛行機移動はどうなっていくのか。敷居が高くなるだろうか。ビジネスにスピード感が保てるのか。世界はどんどん小さくなっていると言われていたものが、突如真逆の論説が浮上しています。未来予測や舵取りは本当に難しい。
○パンデミックのきっかけは、私たちの大量消費社会と言えるという話に共感しています。人間が自然を破壊し、より多くの資源を求めるようになり、地球上での自分たちの生活圏を拡げ、これまで出会わなかった動物やウィルスに接するようになったと。私達自身が招いたことと言われています。
そのニュースは、そう頻繁に目にするには至っておらずSNSやネットの世界で言われる程度。ただ事実として、私達は立ち止まっている。グローバル化と散々叫ばれていたものの、それらに突然ちょっと待ったが入りました。そして今までの、より速く、より大きく、より多くが根底から揺るがされています。
○だいぶ強制的なSTAY HOMEのおかげで、おうち時間が急増。お米の消費がとにかく早く、野菜も何もかもがみるみる減る。イギリスでは一時期パン焼き機の売れ行きが同月前年比400%増になったとか、男性の煮込み料理熱が増し ネットで話題になったと聞く。我が家では、庭で過ごす時間がかなり増加し、夫婦で庭木の手入れにハマっています。子供たちを外で自由にさせておいた方がよいだろうという共通見解のもと、いつしか親の方が外へ出ていくことが増えました。
○日本においては、欧米のように外出制限への強制力がもてないと言われたものの、周囲の目と同調圧力や和の精神がよく作用したと言えるはずです。ペリー来航から開国を迫られたように、島国的な国民性をもつ私たちはグローバリズムの中で懸命に新しい価値観を受け入れようとしてきて今もまだその最中でしたが、コロナ渦中にはもともとの日本人らしさが結果的によく作用したのかなと個人的には考えています。
○田舎暮らしに、またしても多くの利点を感じました。近所で自由に遊べる、公園には行かずとも子供は遊ばせようと思えば自由に遊ばせられます。田舎の家は得てして都市部の集合住宅や戸建てよりも面積が広い。パーソナルスペースがとりやすく、長引く制約の多い生活の中で精神衛生上 非常に重要と感じます。大人も、STAY HOMEの中で、自然に癒される。公共交通機関で移動する都市型の働き方よりも、地方の中小企業への車移動の方が今回に限ってはメリットが大きい。もともと公共交通機関推進派でしたが、スマートカー技術はどんどん進化してほしいです。ここほどにド田舎でなくても、人口密度が一定の数値以下である地域・エリアの方が 家族全員がハッピーかもしれないと やはりそんな風に感じます。
○家族全員、色々とオンラインに挑戦しています。5歳の息子が、世界に暮らす日本人の小学生向けのオンライン授業を受け始めました。彼が面白いと言うので 元素について、5回の有料オンライン授業を受講しています。夫婦ともに、ZoomでのMTGや飲み会にだいぶ慣れてきました。
○これまで、家族や親しい友人と動画で連絡を取り合うことはあっても 仕事においてはそうリアルに導入を考えたことはありませんでした。それはなぜなのか。自分の中で、山奥での生活が 新規案件のご相談をいただくタイミングにおいては 不利になるだろうと考えていたからです。だから、自分からは提案したことがありませんでした。1か月が経ち、これはwithコロナ期とそれ以降に大いに生かせると実感しています。田舎で暮らす私たちこそ、率先して導入すべきです。
現に、私には新しい依頼が舞い込んでいます。誠意をみせるために まずはとりあえず会いに行っていたのが、Zoomで「はじめまして」。コロナ渦中では、これは失礼には当たらない。新しい価値観、早くも実感しています。
○敬愛する社会の先輩から「いろんなことが再編成されるだろうから、無意識に消滅するより、意識してどこに立つか決めた方が良い生き方かもよ」というご助言を賜りました。どこに立つかを決める。深夜00時を過ぎたメッセンジャーのやりとりでポーンと放たれた言葉に、心を見事に射抜かれました。
○人が大勢集まる場所に、人は本当に戻るのか。これは私も今後の動向を見たいトピックです。特に、知らない人同士が集まる場。オンラインで代替がきくものは当然前進できるが、コンセプトの軸に「大勢の人が集まること」を据えていては正直難しい。そして、抗体検査もワクチンいつ開発されるか分からないことを思うと、楽観視もしていられません。
○国籍、社会的地位、価値観などを越え、それ以前に私たちは人間であるという前提が今後、より意識されることになるのではないか。そしてウィルスは人を選ばない。老いも若きも、裕福でもそうでなくても、同じように襲います。どこに潜んでいるかが分からないため、私たちは強気でいられなくなりました。
○友達と遊べない、人と会えないことがもたらす影響や病気は 思った以上に深刻であると感じています。人が人たる所以を、ほんの少しだけ理解したような気持ちです。
○この状況を、時代の転換点であると認識するかどうか。認識する人としない人とで、差が開いていくのかもしれない。どんな差か。
当事者意識をもってこの一連のatコロナに目を向けると 生き方、家族との生き方や個人としての在り方、ビジネスの戦略も変わるはずです。価値観の転換というのは、それが自発的であれば当然言動に表出するものの、それが 外発的であれば話は大きく異なると考えます。今回のパンデミックで半強制的に導入せざるを得なかった価値観は もとの日常に戻ればあたかも存在していなかったようなものにもなる。あれはなんだったのかと、消えてしまう。新しい生活様式もテレワーク/リモートワークの推進や、生き方への気付きも、すべてそうです。
ある意味で、withコロナという長引くであろう余波のおかげで、私たちは気付き→検討し→具体的な行動にすだけの時間が取れる可能性が高い。まだまだ医療従事者の方々等のことを思うと「ウイルスのおかげで」と言うには憚られる状況ですが、私でさえ感じます。

この50年、グローバル化を前提として経済は前進してきた。脱グローバル化の動きが進むのか。いや、話はそう簡単ではないはずです。資源調達や流通をグローバルで考えることは大きなリスクとなることが、今回よくわかりました。人の移動がこれほど著しいからこその病気の拡がり方も今回の特徴です。
新型コロナウィルスは、何をもたらしているのか。しばらくはこの問いに向き合わなければいけません。まだまだ思考を深めなければいけません。


*写真について
ロンドン在住の知人から数年前にもらったバスオイル。大切にしてきたものの不注意で割ってしまい、漏れてしまいました。昨今、適度に息抜きしストレスを受け入れ 消化することが推奨されていますが、私はこの小瓶をきっかけに 香りへの興味が増し、今はエッセンシャルオイルを日常の中で当たり前に取り入れています。