T H O U G H T S & N O T E S

1社目の国際見本市主催会社にて、ビッグサイトの天井から吊るすバナーや通路に立てる看板、1000社を超える出展社の社名一覧、動線上に設置する各種看板の原稿チェックを担当していました。

職業病とはまさにこのこと、それ以降 気になって仕方がありません;
・社名の法人格が CO., LTD.なのかINC.なのかどっちだろう
・半角スペース以上に空いている隙間は、なんだろう
・カンマの後にあるべき半角スペースが見当たらない
・同じであるはずの看板とバナー原稿のスペルが違う、なぜだろう
 (どこかで段ずれを起こしたか、文字が飛んだか)
・大文字であるべきはずが小文字になっている
・もったいない単語のスペルミス、なぜだろう

例えば、英語での法人格。1つの会社で2‐3種類も存在する状態は、私にとっては気になって仕方がありません。日本国内での法人登記の際に、英語社名や英文社名(株式会社を、Co., Ltd.と表記するような社名)を登記することはできません。英文社名は登記するものではなく、各社がそれぞれ自由に決め 名乗ることができるとのこと。組織が比較的大きい若しくは大きくなる過程にある場合は、定款に定める場合もあるという。したがって、英文社名というのは登記によって決めるのではなく、各会社がそれぞれ好きに「名乗る」というような性質のものとなります。 しかしながら、そうであったとしても、一貫性は重要であると感じます。1つに決めるべきです。

過去に自社で作成した書類、原産地証明書等の第三者が発行する書類、過去に提出した補助事業等の申請書、 会社の過去メディア掲載時の表記が 細部においてすべて一致している状態が望ましいと思います。会社沿革等の文字情報も然りです。その際に、FoundationとEstablishmentのどちらを使用していくのか。一度整理し、基本形を作成しておくとスムーズな発信ができます。

余談ですが、1社目にて、東京ビッグサイトを中心とした都内の主要乗り換え駅を記した路線図を作成しました。その際、調べていて今でも記憶に残っているのが日本橋はNihonbashiではなくNihombashi。 社会人2年目で「入稿物は、念には念を入れダブルチェックすべき」という強烈な印象付けがなされました。また、英文書類で頻繁に見かけるダブルクオーテーション(“”)とピリオド(.)の関係。ピリオドは中につく。関連するものでいうと、カンマも中につく、クエッションマークとコロンとセミコロンは外につく。当然ながら、こういった細かな書き方にもルールがあります。

すべてを覚えている必要はありませんが、特に発信内容(インターネット上であれ印刷物であれ)に関しては、過信せずに確認作業を行うことは重要ステップです。かつてこういった細部の調べものはガイドとなる書籍や精通した専門家に依頼するしか方法がなく、膨大な時間を要したはずです。大企業であれば可能ですが、中小企業においてはこのような細部の話は飛ばされていたでしょう。しかしこの時代、ちょっとした工夫をすればインターネットを活用し正しい解を導き出せます。

なぜそこまでの細部にこだわるべきなのか。一貫性や整合性は、クオリティです。会社や個人、そしてそのモノのクオリティに直結してしまいます。あちらとこちらで1文字違っていたら、気になる人は気になります。1万円するグラスに添えられていたカードに、小学校で習うような文法上のミスがあったら 私たちはどう感じるでしょう?基本的なミスだからこそ、残念と感じその印象も大きくなります。いう間でもなく、書籍がインターネット上の記事よりも信頼される大きな理由です。もちろん、そこまで気にしない人もいます。しかしどうせなんらかの手間をかけて発信という作業をするのであれば(自社発信かメディア掲載かは別として)、ものの質や会社の姿勢を伝える際にマイナスとなる要素を可能なかぎり取り除くこと。そうすれば、その面での無用なマイナス要素は回避できる。そのための、ステップです。まずは、HPでよく見かける会社概要や会社沿革に掲載されている情報は、一度精査されることをお勧めします。 Word文書にテキストをコピペし、校正ツールにかけるだけで、要検討箇所が一発で表示されます。そのステップを踏むだけでも、有効だと感じます。